美容皮膚科の対象となる主な症状
しみ・そばかす・肝斑
しみ(老人性色素斑)は、局所のメラニン色素の増加で、顔面や手背などの露出している部位に多く見られます。中年以降に多く、40歳代で60%、50歳代で80%、80歳以上ではほぼ全員にあると言われています。日光への曝露が主な原因と考えられていて、小さなものが多発するタイプと、大型の色素斑が少数生じるタイプが多くみられます。境界ははっきりしていることが多いです。
そばかす(雀卵斑)は5歳頃から顔や首、前腕などの日光が当たる場所に、直径3mm程の丸に近い形の褐色色素斑が多発するようになります。紫外線が当たると色が濃くなります。思春期に最も目立ちますが、その後は薄くなっていきます。遺伝性があると考えられています。
肝斑は30~50代の女性によくみられる茶褐色の色素斑です。典型例では頬や額に左右対称に認めます。若い方や高齢者にはあまり見られません。原因は不明ですがホルモンや紫外線が関与していると考えられています。
他にはにきびや化粧かぶれ、やけどなどの傷が跡になった「炎症後色素沈着」など、原因や種類は様々です。しみは、その方の肌質や生活スタイルを踏まえて治療する必要があります。当院では、皮膚の専門知識を有する形成外科医が症状を見極め、幅広い治療メニューから一人ひとりにあった治療法を提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
ほくろ・いぼ
しわ
シワは皮膚の表面に現れる縦や横の溝や凹みのことを指します。しわは皮膚表面の変化だけではなく、皮下組織(皮下脂肪)、筋肉、骨などの構造が、立体的に変化することで生じます。このためシミのように化粧で隠すことはできません。
しわができる原因はたくさんありますが、長期にわたる紫外線暴露が最大の要因といわれています。紫外線によって真皮のコラーゲンとエラスチンが分解されることにより真皮の支持力が減少することで、皮膚の強度と柔軟性が失われます。(1)
その他にはストレスや睡眠不足、喫煙などが原因となります。これらの皮膚内部の構造や機能を理解したうえで、原因を見極めて症状に適した治療を施します。ワには大きく分けて小じわ、大じわ、表情じわがあります。小じわは皮膚の老化が原因で起こります。大じわは皮膚だけでなく脂肪などの下垂も原因となります。表情じわは表情筋という顔の筋肉が収縮することで起こります。長期に放置すると筋肉が収縮していないときにもしわができるようになってしまいます。眉間やおでこによくできます。
予防策としては紫外線防御、保湿ケアが基本となり、毎日の習慣を見直すことがしわ予防の第一歩となります。治療は、レーザー、ヒアルロン酸、ボトックス、フェイスリフト(美容外科)などがあります。
たるみ
皮膚と皮膚の下の脂肪や筋肉、骨の老化により起こります。ヒアルロン酸の注入、HIFU、フェイスリフト(美容外科)などで治療を行います。一人ひとりの肌やお悩みに合ったメニューをご提案いたします。
にきび・にきび跡
思春期にできるにきびは、皮脂の分泌が増加し毛穴が詰まることから始まり、アクネ菌が増殖することで炎症を起こし悪化していきます。大人のニキビは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくい特徴があります。
にきびの症状や肌質は、一人ひとり異なり、それによって処置や治療の組み合わせも変わります。当院では経験豊富な形成外科医による診察で、適切な治療をご提案いたします。また、にきび跡に悩まれている方もとても多く、赤みや色素沈着といった色味のお悩みから、患部が陥没してできる凹凸のお悩みまで様々です。
美容皮膚科では保険診療にはない施術や薬も受けられますので、患者様の満足度を高めた治療を提供することが可能です。にきびの治療はもちろん、にきび跡の改善まで、患者様に寄り添いながらサポートしていきます。お気軽にご相談ください。
あざ
あざには先天性のものや後天的に浮き出てくるものがあります。表皮に現れる毛細血管などの異常症状で、太田母斑・異所性蒙古斑色素性母斑などの母斑細胞が原因となるものや、扁平母斑などのメラニン色素の沈着以外に異常を認めないものがあります。症状の深さにより表皮に出現する色が異なってきます。赤あざ(単純性血管腫)は、毛細血管の拡張異常によるものです。
いずれも自然消滅することはなく治療が必要になります。治療はレーザー治療が主流になっています。カウンセリングを行い丁寧に診断いたしますので、長年あざにお悩みの方は一度ご相談ください。
AGA(男性型脱毛症)
男性型脱毛症とは、前頭部と頭頂部の毛髪が軟毛化することに始まり、最終的には前頭部の生え際が後退し、頭頂部の毛髪がなくなってしまう状態のことを言います。通常頭髪は2~6年の成長期、2~3週間の退行期、3~4ヶ月間の休止期からなる毛周期というサイクルの中で伸長と脱落を繰り返しています。
男性型脱毛症では成長期が短縮し、休止期にとどまる毛包が増え、さらに成長期の毛髪が細くやわらかくなっていきます。20歳代後半から30歳代で発症することが多く、年齢が上がるにつれ増えていきます。全年齢を平均した発症率は約30%と報告されています。(2)
また男性型脱毛症はホルモン感受性毛包の毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体に、Ⅱ型5α-還元酵素によってテストステロンから変換されたジヒドロテストステロン(DHT)が結合し成長期が短縮することで起こると言われています。内服治療の多くはこのDHTを減らすことを目的としています。AGAの治療にはミノキシジルの外用やフィナステリド/デュタステリドの内服などしっかりと根拠のある治療法があります。(3)
当院ではこれらの根拠に基づいた治療を行っています。最近髪の毛が細くやわらかくなってきた、抜け毛が多い気がする、薄くなってきたなどの症状がある場合はぜひ一度ご相談ください。